ロジスティクス埼玉県は3日、同県浦和市の知事公館にて「令和6年度第2回強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」および「持続可能な物流の確保に向けた共同宣言式」を行った。戦略会議には埼玉県知事のほか、国交省や財務省など行政の代表、埼玉県倉庫協会会長、さらにヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などの民間企業の代表が集まり、県内の物流をいかに維持していくかについて議論した。

▲共同宣言式(出所:埼玉県)
同宣言では、物流の円滑化に向けた取り組み、物流業界の人材確保・定着に向けた取り組み、再配達の削減徹底に向けた取り組みの対策が盛り込まれている。今後は、同宣言の関係者が連携し、社会全体の課題として各種対策に取り組み、持続可能な物流体制の構築を目指す。
非公開で行われた戦略会議に続く共同宣言式では、埼玉県知事の大野元裕氏が会議の内容、および宣言について説明。まず「物流は県民生活を支える重要なインフラである」と前置きした上で「私たち(埼玉県)は物流の問題を我がこととしてとらえ、地域経済の発展と県民生活の向上に寄与するために役割を果たす」とした。
また、物流業界で喫緊の課題になっている人手不足を解決するためには、業界の魅力を発進することが重要と強調。また、置き配などを活用して再配達を削減し、配達員の負担を軽減する必要があることを強調した。
宣言式後のぶら下がり取材で知事は「人手不足を解消するには荷主や倉庫業者、県民など、各方面の協力が必要不可欠。『ワンチーム埼玉』として取り組んでいきたい」と語った。当日配布資料によると、埼玉のドライバーの不足人数が2030年には東京、大阪に次いでワースト3になると試算されており、現実的な対策が講じられるかが大きな分かれ道となりそうだ。
また県の物流担当者は「業界ごとの成熟度、個々の事業者と荷主との関係には大きな差があるため、数値目標を掲げるのは難しい」とした上で、「(物流を通じて県民の生活向上を企図する)同様の宣言は長野、鳥取、山口にはあるものの、大都市圏では初。また、宅配業者や倉庫業者が参加した例は全国初」と、率先して課題解決に取り組んでいることをアピールした。
「具体的な予算をつけるのは来年度になるものの、すでにモーダルシフトや物流のDX化、置き配や宅配ボックス活用の呼びかけ、業界の魅力発進などは行っている」(大野知事)。宣言を受けてワンチーム埼玉がどのようなアクションを起こすのか、その実行力に注目したい。
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